第3話 宇土のスグルワラ

イラスト

「宇土のスグルワラ」ていうち、珍しゅう化け上手の狐が、宇土におったげな。馬のクソば、まんじゅうに見せてだますとが得意だった。彦一は、こやつばこらしめてやろうと、八代から鮒のコギリば持って行たて、ごちそうしたげな。スグルワラは、目ばこもうしてよ ろこんで、

「こぎゃんうまかつぁはじめて食うた。どっからとって来たっかな。」

「八代にきてみなっせ、アバカンたい。」

スグルワラは、八代城のお堀に尻尾をつけて、一晩中霜夜にふるいあがったうえ、尾が凍りちいて、あぶにゃ殺される目に会うたげな。


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