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サービスは無償ではない!

▼記事と写真は関係ありません。(昨日の夕景写真)

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 店舗を営む場合、「坪あたりの売り上げ重視」を聞く機会があった。

 随分前の話だが、熊本県商工会連合会主催の熊本県内経営指導員研修会において、午前の部担当講師が、チョコレートで有名なモロゾフの会長さんだった。因みに、午後の部のIT総論各論を筆者が担当した。

 新聞社勤務当時、一番楽しみにしていたのが、目の前にある鶴屋百貨店のテナントとして出店していたモロゾフのビッグサイズのプリン。毎日数に限りがあるので、ランチタイム前に、一目散に数個をゲットに走ったものだ。

 その会長さんと言葉を交わした際に、開口一番に仰ったのが、店を構えて商売するのに大事なことは、「坪あたりの売り上げ」だった。なるほど、同百貨店にある当時のモロゾフの店舗は、決してだだっ広くはなかった。

 その話を聞いてから、足を運び入れるレストランの「坪あたりの売り上げ」を気にする様になった。勿論、新聞社を経て独立し、創設した会社はマルチメディアオフィスだったので、直接関係は無かったが、いつも気になる。

 レストランで意外に思うのは、珈琲の御代わり自由というものだ。如何に珈琲の原価が安いと言っても、食事をオーダーせずして珈琲だけを注文し、何時間もテーブルを占有されては、「坪あたりの売り上げ」が激減する。

 下手すると、常連客が毎日のように数人足を運び入れ、六百円ほどの珈琲を何杯も飲み干し、3時間も4時間も居座ってしまえば、回転率が悪くなり、完全に赤字になるのは見えている。それこそ過剰サービスとなり、自分の首を締めることになる。

 お客の意識の低さも問題であるが、国内では「サービス」という言葉が、勝手に「サービス=無償」と誤解を広め、お客の意識も「当然只でしょ!」と強気の思い込みとして刻まれる。しかし、ホテルに「サービス料」が存在するのは、無償でない証なのだ。

 手に持って重さを感じない、所謂、「ノウハウ」、「レシピ」、「アイデア」などは、地方に行けば行くほど、「只で教えてもらって当たり前!」となってしまう。これは、情報を発信する側にも啓発不足という落ち度があり、脇の甘さが首を締めている。

 「只で教えてくれないから、あの人はケチだ!」と文句を言う人も居る。「珈琲一杯の御代わりを別料金取るなんて、ドケチなレストランだ!」と激昂する人も居る。だったら、「サービス業はどこで生業が成り立つのか?」と問いたくもなる。

 重さを感じる物には金銭を払うが、「発想」なり「コツ」なりを教えて貰うのは、無償で当然と思う人が圧倒的に多い。しかし、その「発想」なり「コツ」なりを身につけるのに、どれだけの投資が行われているかを理解しなければならない。

 勿論、自分自身に投資ができないケチケチ人間は、趣味でも何でも、一端となる確率は少ない。全てが中途半端であり、リスクを背負わないから、とことん突き詰めて自己研鑽に励むこともないので、何年経っても本物になるはずがない。

 何はともあれ、店舗を営むには、「坪あたりの売り上げ」を最重視し、無駄無理を省き、効率の良い運営をしなければならないと言うことである。食事処を喫茶店化してしまう所ほど、実は、無駄無理が想定外に多く、大きな損失を招いているのである。


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▼最近癖になっているスープカレー(熊本ホテルキャッスル 九曜杏)
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写真・文責:西田親生

       

  • posted by Chikao Nishida at 2021/7/22 12:00 am

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