THE ROSETTA STONE NEWS 2007年5月28日 |
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八井厳さん(写真右)が珈琲アローを熊本市内に開店したのは、昭和39年11月1日の東京オリンピック開催の年。八井さんは熊本県小川町の出身で、昭和31年頃から当時ハイカラな店で人気のあった「山小屋」でバーテンダー、更には菓子職人などを経て、いつの間にか本格的な珈琲に興味を持ち、琥珀色の珈琲(通常の褐色の珈琲とは全く異質なもの)に魅了され現在に至っている。
そもそも筆者が同店に足を運んだのは、25年前に某新聞社に勤務していた頃。当時の上司から連れて行かれたことに始まる。最初に度肝を抜かれたのは、珈琲の色が透き通った琥珀色(珈琲ルンバの歌詞には確かに琥珀色とある)であり、褐色でビターな珈琲に慣れていた筆者の珈琲に対する認識が完全に覆された。 昭和43年、三島由紀夫が同店を訪ねたという。それは三島が割腹自殺をする2年前のこと。当時店内での会話を、「珈琲嫌いの三島由紀夫先生は、珈琲は要らんと言いなはったっですたい。しかし、物を見て判断して、嫌なら捨ててよかですて言ったとですよ。そしたら美味かて言うて飲んでもらいました。他に「機雷」で直木賞ばとんなはった光岡明先生も、よう来てもらいました。」と得意げに語る八井さん。 今回、十数年ぶりに足を運んだのだが、同店のルールに従い1杯目は水の平焼きのカップ(青なまこ)、そして2杯目は水の平焼き(赤なまこ/写真左上)を飲み干し、更に3杯目を頂いた。琥珀色の珈琲に映し出されたシャンデリアは、43年間カウンターを照らしてきたレトロなもの。実は八井さんが昭和31年に働いていたハイカラな店「山小屋」にあった物らしい。 沈黙の中に「常にお客さんとの勝負!」と言って珈琲に向かう八井さんの姿は実に若い。どう見ても71歳の老人というよりダンディズムを感じさせるハイカラさんである。・・・琥珀色の珈琲が若返りの秘訣なのだろうか?
■三島由紀夫 ■龍驤館 http://www.dandl.co.jp/gold/news2003/20031103kendo/index.html
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