いよいよ最終回となったイタリア紀行。ローマ市内観光スポットの定番中の定番である「コロッセオとトレビの泉」についての記事で終了したい。滞在僅か6日間の取材だったが、こんなに太陽光が強かったのは初めての体験であった。
本日は午前中に「コロッセオ」と「コンスタンティヌスの凱旋門」を訪れた。海外からの観光客の姿が多く見受けられた。添乗員には事前にコロッセオの中に足を運んでもらいたいと願っていたが、時間の都合でとうとう周囲だけの観光となった。以前訪れたときは中に足を運び、野良猫と遊んだ事を思い出してしまった。当時はデジタルカメラも無い時代だったので、カメラフィルムを「コロッセオ」内部でかなり高値で買わされた覚えがある。
そもそも「コロッセオ」は、カラカラ浴場と共に当時の2大娯楽施設として10年の歳月を経て完成されたもの。実はウェスパシアヌス帝(在位69年〜79年)が、前の暴君ネロの悪性を忘れさせるために着工したらしい。・・・「コロッセオ」は古代ローマ繁栄の象徴たる存在でもあり、当時は5万人ものキャパシティを持つ大娯楽施設であったのだ。・・・娯楽と言っても血生臭く、奴隷や野獣との死闘が繰り返され、その流血を観戦するといった残酷な出し物が多かった。
4階建ての「コロッセオ」は多様な建築様式を見せてくれる。ちなみに1階ドーリア式、2階イオニア式、3階コリント式、4階がアーチのないコリント式と独特なスタイルである。在りし日の「コロッセオ」は、古代建築としては想像を絶するほどのレベルの高さが伺い知れる。何と最上階の壁の間にロープを張り巡らして日よけ用の天蓋が取り付けてあった。地下には人間と戦わせるための動物を入れる檻があり、中央床部分は全て木製の床板に砂を敷き詰め死闘の時の血を早く吸い込むように工夫してあった。いやはや残酷で物騒な時代である。
最後に訪れたのは「トレビの泉」だったが、熱波のため全く水のない噴水を見る羽目になった。何ともついていないというか、洒落にならない「トレビの泉」で、結局はスリ常習の女性3人組の背中を見てバスに乗り込んだ。
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