イタリア紀行(3)「ルネッサンス発祥の地・フィレンツェ」

THE ROSETTA STONE DAILY NEWS 2003年8月4日
花の都・フィレンツェで出逢った職人の技

 本日はベネチアから250キロ南下、ルネッサンス発祥の地、そして花の都で知られるフィレンツェに向かった。熱波で何となく取材が思うように進まない。少々苛立ちを覚えながら、到着早々にフィレンツェのドゥオーモ(大聖堂)を訪れ、ルネッサンスに代表されるミケランジェロやレオナルド・ダ・ヴィンチら最高峰の作品を鑑賞し、その芸術性の高さに酔いしれた。

 近代商業都市であるミラノや水の都・ベネチアとはまた趣の異なるフィレンツェ。石畳を一つ一つ踏みしめながら街並みを歩いていると、路地の左手に手作り革製品が陳列してある「INFINITY」という店が目にとまった。扉を開け、「Hello!」と一言。2階から40代の奥さんらしい女性が降りてきて、「Please, come in !」と笑顔で迎えてくれた。

 店内の壁一面に手作りのバッグ、ベルト、財布などが沢山掛けてある。ノンブランドといっても有名ブランド商品と引けを取らないほどの出来栄えに、つい見とれてしまった。更に奥へ足を運ぶと、左壁上方に古びた剣道の面と能面が掛けてあるが見えた。話を聞くと、結構日本贔屓(ひいき)で、子供が小さい頃から柔道をやっているらしい。・・・その女性は汗まみれの我々を見て、エアコンのスイッチをオンにしてくれた。

 しばらくして店の主人であるエウジェニオさんが作業場から降りてきた。挨拶の後、唐突に取材依頼を行ったが、喜んで2階、3階の作業場へと案内してくれた。如何にも手作り職人らしい部屋には、びっしりと素材の皮革ロールが山積み状態。「ここでバッグの型を切ったり、縫製したりしています。色んな皮があるでしょう!!実は、日本の小さなショップへも商品をお出ししてるんですよ!・・・え、熊本ですか?数年前に行きましたよ。上通というところにも取引のお店がありますよ。」とにわかに話が盛り上がって来た。

 フィレンツェの街で偶然見つけた手作り革製品の店だったが、店主の口から「熊本」という地名が出てくるとは予想だにしなかった。連れの二人も質の良いベルトを見つけ、さっそくオーダーした。連れが持っている編み込み革ベルトだが、そのブランド物よりずっしりと重量感があり頑丈そうだ。「30分ほどかかりますので、そうですね・・・19時頃においで下さい。それまでバッチリ作っておきます!」と語るエウジェニオさん。ちなみに革ベルトは1本8000円程度(60ユーロ弱/1ユーロ=140円換算)。

 オーダーした物が出来上がる指定の時間まで、数軒先の革ジャケット専門店「ATHOS LEATHER FACTORY」へも足を運んでみた。そこにはイタリア美女のADAさんが応対してくれたのだが、「ああ、INFINITYさんに行かれたんですか?あそこの店主さん、凄くいい人ですよ。」と話をしてくれた。それから再度「INFINITY」を訪ね、出来上がり具合をチェック。連れの1人は手作りベルトを早速身に着けて、装着感が良いことにご満悦。採寸の手際よさ、イニシャルもベルト裏側にちゃんと刻印してある手作りベルト。その他、サドルに使用するような厚手の皮で出来たシンプルなデザインのバッグなど、欲しい物が沢山あったが、後ろ髪を引かれる思いで夕食会場へと足を運んだ次第。


■INFINITYのご案内■
Borgo S.S. Apostoli, 18r 50123 Firenze - Italy 【TEL&FAX】055-2398405 【MAIL】infinity@dada.it  


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