実はダ・ヴィンチ作の「最後の晩餐」は18世紀に全てが再塗装され、顔、表情、色調などが歪められてしまった。更に第二次世界大戦中(1943年)、空爆に襲われたものの奇跡的に助かり、修復再現の道を辿ることになる。上塗りを全て除去して現れた原画は、数カ所が油性塗料で描かれているが、殆どがテンペラ画。ダ・ヴィンチの緻密な思考による遠近法の図式が素晴らしい空間を創り出している。
次に訪れたのはミラノのドゥオーモ(大聖堂)。雲一つ無い青空に突き刺さるように聳え立つ真っ白な大建造物である。内部に足を運ぶと予想を遙かに上回る高い天井とステンドグラスや彫塑群。一瞬にしてイタリアの古く重い歴史と伝統を目の当たりにしたようであった。それから簡単な昼食(定番のピザとリゾット)をとり、大アーケード街をそぞろ歩きして一日目の取材を終了した。
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